【バイク小説】俺とGS:#30 過去②

バイク小説目次
短編小説 ・俺とGS400:#1 出会い ・俺とGS400:#2 夏の夜と原付 ・俺とGS400:#3 峠道と恋 ・俺とGS400:#4 再会 ・俺とGS400:#5 敵 ・俺とGS400:#6 勝負 ...

←前回のお話

俺はS。華の16歳。愛車はGS400。

今回の舞台は前回の続きで、5年前の定峰峠だ。
みの丸の過去を振り返っている。

みの丸はGSをミラーで確認するとスロットルを大きく開け、鋭く加速した!

「ぱぃいいいいいいいぃぃぃぃいいいいいいいいん!」

みの丸「さぁ、どれくらいついてこれるかしら!!」

みの丸は横目でミラーを確認した。

「ばぅうううううーーーん」

後ろでじっれたそうにGSの男がエンジンブレーキをかけている。

みの丸「へぇ、やるじゃない!でも、次のコーナーで終わりよ!!」

みの丸はギアを1段落とし、フロントブレーキを引く。

「パーーーーーン!」

フロントフォークを限界まで沈みこませ、コーナリングの体制に入る。

みの丸「見てなさい!!」

車体をフルバンクさせる。暴れるリアを抑え込みながら一気にコーナーを駆け抜ける。

みの丸「き、、、きもちいい!!」

そして、コーナーを抜けると少し長めのストレートへと差し掛かる。

みの丸はコーナーを抜け大きくスロットルを開けた。

「ぱぃぃいいいいいいいいいいん」

「ばぁぁぁぁっぁぁぁぁぁあああああああん!」

横からGSの男がみの丸を抜き去った。

みの丸「え?」

みの丸「うそ…」

みの丸は一瞬呆気にとられたが、すぐに気を取り直し、GSを追いかけた。

だが、GSの男はものすごい迅さで火花を散らせながら、峠を駆け抜けていく。

みの丸「なんなのあいつ…」

コーナーでもストレートでもぐんぐん離されていく。
その内に排気音だけしか聞こえなくなった。

みの丸は完全に置いて行かれてしまった。

そして、頂上につくと、GSの男はタバコを咥えて休憩していた。

男は赤いスイングトップにジーンズ。紫色のリーゼント。
「いかにも」といった感じの出で立ちだ。

これが、みの丸とうどん男(仮)の初めての出会いだ。

みの丸はバイクを停止させ、男に話しかけた。

みの丸「あんた、迅いね。名前は?」

うどん男(仮)「のど乾いた」

男は自動販売機に視線を向けたまま動かない。

みの丸「は?名前きいてんだけど!!」

みの丸「アタイをなめてると痛い目みるよ!!」

みの丸は想定外の返答に驚いた。

うどん男(仮)「のどが渇いてしゃべりにくい」

男は少ししゃがれた声で自動販売機を指さし、言った。

みの丸(なんなのこいつ…)

みの丸「わかったわよ!何飲むの?」

うどん男(仮)「キレートレモン」

男は喉が渇いたという割には量が少ない飲料を選んだ。
みの丸は渋々「キレートレモン」を購入し、男に渡した。

うどん男(仮)は礼も言わずに、勢いよく、キレートレモンを飲み始めた。

「ゴク ゴク ゴク」

うどん男(仮)の喉仏が激しく上下運動を繰り返している。
みの丸はその喉仏にくぎ付けになった。

みの丸(う…美しいわ…)

また、あまりに激しく飲むのでビンに唇が吸い付いている。

みの丸(か…かわいい…)

そして、飲み終わった瓶を口から離そうとしたとき!!

「ちゅぽ!!!」

瓶に吸い付いていた唇が離れた音だ。

みの丸は胸が苦しくなり、頬が紅潮していくのを自分で感じた。

みの丸(なんなのよ…)

うどん男(仮)は飲み終わると、みの丸に視線を向けた。

みの丸「え?」

みの丸はその鋭い眼光から視線を逸らすことができなかった。

うどん男(仮)「ん・・・」

うどん男(仮)は飲み終わった瓶をみの丸に差し出した。

みの丸は黙って空き瓶を受け取り、ごみ箱へと捨てた。

みの丸「な…名前は?」

みの丸は高鳴る鼓動を抑えながら問いかけた。

うどん男(仮)「いっぺー」

みの丸「え?いっぺー?」

一平「ああ、そうだよ」

一平「女にしちゃあ、迅かったな」

みの丸「アタイは女じゃない!みの丸だよ!」

みの丸は自分の名前を聞いてこなかったことに腹が立った。

一平「え?それ名前?」

みの丸「ウ…うん」

みの丸(なんて鋭いやつなの…)

一平「お前、今、うそついたろ」

男は鋭い目でみの丸のをじっと見つめた。

みの丸はまた、胸が苦しくなった。
みの丸は何も言えなくなってしまった。

一平「わかりやすいやつだな、まぁ、別に興味ねえけど」

みの丸「っざっけんじゃねえよ!!アタイと勝負しな!!」

みの丸は一平の「興味がない」に激昂した。

一平は驚いた表情でみの丸を見ている。

一平「え?え?」

あまりの驚きに加えていたタバコを落としてしまった。

一平(なんだよ、この女…)

みの丸「下りなら負けねえよ!!」

一平「かわんねえと思うけど…。」

みの丸「さっさと単車だしな!!」

→続きのお話

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