【バイク小説】俺とGS:#34 新世界へ。

バイク小説目次
短編小説 ・俺とGS400:#1 出会い ・俺とGS400:#2 夏の夜と原付 ・俺とGS400:#3 峠道と恋 ・俺とGS400:#4 再会 ・俺とGS400:#5 敵 ・俺とGS400:#6 勝負 ...

←前回のお話

俺はS。華の16歳。愛車はGS400。

長い長いみの丸の過去のお話が終わり、俺もやっと解放された気分だ。

なので、ちょっとワンピースっぽいタイトルを付けてみた。

そして、俺には明確な人生の目標ができた。

GS400を買って、目標を失いかけ、生きる屍になりそうなところを
愛する女に救われた。

これから、目標を達成するために行動を始める。

その目標とは「明星の一平を走りと拳で叩きのめす」

単純だが、達成するにはそれなりの努力が必要だ。

走りはとりあえず置いておいて、拳で叩きのめす。

これは現状の俺では至難の業だ。

なぜなら俺は喧嘩したことがない。

喧嘩上等で生きてきたが、喧嘩をしたことがない。

岩袋の時だってみの丸に助けられたくらいだ。

というわけで強くなるには鍛える。

まずはそれからだ。

近所にボクシングジムがあることは調査済み。

あとは、ジムに入会するだけであるが、素人ではなめられ、
月謝だけ奪われ、施設を使えるだけになってしまう。

これならスポーツジムの方がましだ。

「赤い彗星」「彗星の如く現れた男」「燃える闘魂」
こんな風に思わせなければならない。

そう、最初のインパクトが大事だ。

なので、事前に知識とトレーニングをあらかじめしておく必要がある。

俺は「豆宮書店」という本屋に行き、「終わへの一歩」という
ボクシング漫画を購入した。

あらすじを説明すると、釣り船屋の息子がいじめられ、ボクシングと出会い覚醒。

その後、パンチドランカーになるという話だ。

つまり最後の方は読む必要はなく、最初の方だけをつまむ。

それが最も効率的だ。

そして、俺は「一歩」を読み始めた。

そして、漫画を読んで俺は気付いた。

落ちてくる葉っぱを片手で20枚掴むことができれば、
そのジムの期待の新人を叩きのめすことができるということだ。

俺は早速近所の河川敷へと向かった。

俺は最寄の河川敷まで走っていくことにした。

ボクシングにはスタミナも重要だ。

俺は土手に向かって走り始めた。

夜空は静かに俺を見守る。

俺は一平の顔を思い出しながら土手へ土手へと歩を進めた。

そして、3分ほど走ると、土手についたが入口から中に入れない。

草むらの中に階段があるのだ。

無数の虫が飛び交っている。

時折、小さな衝撃が俺の顔に伝わる。

けたましい虫の羽音。

俺「こ・・・これは…」

そして、俺はさらに新たな難問に直面する。

落ち葉を落とすためには木を揺らさなければならない。

すると落ちてくるのは葉っぱだけでない。

そう、木に潜むあらゆる生物も俺に降りかかってくるのだ。

一旦落ちてくる葉を掴むトレーニングは保留することにした。

あれは漫画だからできることで、あんなに早く手を夢中で動かしたら、
生物だって破壊してしまう。

無駄な殺生はごめんだ。

だが、「すごい新人だ」と思わせるためにはトレーニングは必要不可欠。

もう、いじめられれっこのサクセスストーリーは飽きた。
飽和状態だ。

そんなもので俺が強くなれるわけがない。

つまり「すごい奴」と思われればいいわけだ。

俺はこのままボクシングジムに入会することにした。

—-翌日——

俺はボクシングジムの前にきた。

ガラス張りの室内でガラの悪そうな男やハゲやデブやモヒカンが
トレーニングしている。

どいつもこいつも血の気が多そうだ。

ハゲに至っては血の気を髪の毛に変えられたらいいのに。

とまぁ、大体どんな人間がいるかわかった。

最初が肝心だ。

ジャブとストレートは昨夜練習してだいぶ極めた。

行けるはずだ。

ガチャ。

俺が扉を開けると一斉に全員がこっちを見た。

ハゲ「どした?にいちゃん見学かい?」

目が血走ったハゲが話しかけてきた。

頭皮が汗でぬれていてギトギトしている。

見るのも触るのも嫌だ。

俺「入会だ」

俺はなめられないよう、
胸を張り、しっかりと腹の底から声を出した。

ハゲ「お~そうかそうか!大歓迎だよ」

男はそう言って、ミットを外し近づいてきた。

ハゲ「俺がオーナーの鴨井だ」

男は右手を差し出し握手を求めてきた。

汗臭い体臭と、汗でぬれた頭皮に吐き気をおぼえた。

俺「いいから、月謝はいくらだ」

触れ合うのが無理なので用件だけを述べた。

鴨井「あ?」

鴨井は少しむっとした表情だ。

元ヤンとかは礼儀などを重んじる傾向がある。

失礼だけど、汚物は汚物。

鴨井「お前は5000円だ」

俺「ああ、わかった。」

そういって鴨井は他の練習生のとこへと戻った。

すると、リングでミット打ちのしていたモヒカンが言った。

モヒカン「おい、新人!リングあがれよ」

モヒカンは汗を掻いているが、きちんとモヒカンだ。

どんな整髪料を使用しているのか気になった。

それと、奴だけがリングに上がっているとこを見ると
このジムでの立場もそれなりだろう。

それにこれはチャンスだ。

俺の印象を決める大事な瞬間。

俺はモヒカンのいるリングへと向かった。

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